浄土真宗の出家プロセス
浄土真宗では出家を「得度(とくど)」と呼び、社会生活と両立しながら僧侶になることが可能です。
浄土真宗について
浄土真宗は、親鸞聖人(1173-1263)によって開かれた日本の仏教宗派です。「南無阿弥陀仏」の念仏を称え、阿弥陀仏の本願力によって救われるという教えを中心としています。
浄土真宗を含め日本は在家仏教であり、社会と隔絶した出家生活を送ることは極めて少なく、普通の会社勤めや教員公務員の僧侶も珍しくありません。基本的に一般の方々と変わらない生活を送りながら、僧侶としての役割を果たします。
浄土真宗では、出家を「得度(とくど)」と呼びます。得度とは、師僧から僧名や血脈をいただき、僧侶の仲間入りをする儀式です。この時点で僧籍を取得し、肩書上は僧侶となります。
得度プロセスの詳細
所属寺院の確保
期間: 個人差あり
いずれかのお寺を訪ねて所属し(衆徒)、住職に指導や手続きなどお世話いただく必要があります。
- 家の菩提寺が本願寺派であればそちらに相談するのが基本
- お住いから通える範囲の寺院が望ましい
学習・練習
期間: 半年以上〜1年程度
読経や教義、作法などを学びます。
- 「正信念仏偈」「御文章」「讃仏偈」「重誓偈」「葬場勤行」「仏説阿弥陀経」などの読経練習
- 領解文、生活信条、正信偈の一部などの暗唱
- 内陣出勤を含む基本的な作法、仏具などの荘厳、衣体の被着法の実習
- 仏教全般の学習、真宗の基本的教義、歴史なども学ぶ
得度講習会と得度考査
期間: 3日間
2日間の得度講習会、1日の得度考査(試験)を受けます。
- 得度講習会は各教区教務所で年1~2回、京都の宗務所・西山別院ではほぼ毎月開催
- 考査では筆記試験と実技試験(正信念仏偈の実習)、面接がある
得度習礼
期間: 10泊11日
京都の西山別院で行われる10泊11日の得度習礼に参加します。
- 年に7回ほど開催され、男性は剃髪して入所
- 期間中は携帯電話など外部との接触は一切禁止
- 全国から一般の方や寺族の方々が集まり、通常50名ほどで集団生活
得度式
期間: 1日
習礼の最終日に本山で得度式が行われます。
- 得度式後、僧籍を取得し、肩書上は僧侶となる
総期間
半年〜1年以上
費用
装束代、冥加金、講習会費用など
入門条件
音感と声量
僧侶として読経する上では普通程度の音感と声量が必要です。
専門知識
最低限の専門用語や作法、教義や歴史などを覚える必要があります。
正座
正座が多いので膝や脚に大きな不具合がないことが前提となります。
得度後の生活
浄土真宗では、得度後も一般社会での生活と両立しながら僧侶としての活動が可能です。
- 社会と隔絶せず一般社会で活動可能
- 普通の会社勤めや教員公務員の僧侶も珍しくない
- 所属寺の法務に出向いて経験を積む
- 所属寺の報恩講や永代経法要、盆、正月などの仏事法要に衆徒として出仕
真宗教団では、仏教一般で言う戒律や行はないため、「修行」という表現は用いないのが普通です。そのぶんかえって、僧籍を得てからも自らの精進について、常に律し続けることが必要です。